地域によって個性がある? 麺の特徴
前述したとおり、地域によって人気の麺には違いがあります。本島南部や北部、さらには八重山地方で見られる沖縄そばの麺には、形状や歯ごたえなどに違った個性があります。以下では、その種類についてご紹介します。
・本島中南部
沖縄そば発祥の地だと考えられている本島中南部で人気の麺は、縮れた平麺です。麺の幅は、3~4ミリ程度の中太サイズのものが主流。中南部のなかでも那覇は沖縄そばの老舗が多く、沖縄そばの存在が特に深く根付いたエリアだといえます。
・本島北部
きしめんを思わせる、幅広タイプの麺が主流。麺の幅は7ミリ程度のものが多く、形状は平打ちタイプのものが一般的です。
・宮古島地方
沖縄本島の麺に比べるとやや細めで、縮れ具合も控えめなのが特徴です。具のトッピングの方法にも特徴があり、麺の中に具を隠して食べるスタイルがよく見られます。
・八重山地方
断面が丸く、細めの形状をしているのが八重山地方のそばの特徴。宮古島地方のそばと同じく、縮れ具合も控えめです。食べる際にヒパーチと呼ばれる島胡椒や短冊形に切られた八重山かまぼこ、三枚肉などをトッピングして食べるのが主流のスタイルです。
各地域によって愛されている沖縄そばの麺はさまざま。沖縄そばを味わう際は、麺の特徴にもぜひご注目ください。
県民食を支える、地域の製麺所たち
沖縄そばの麺は、地域によって異なる個性を見せるもの。そんな沖縄そばの多様さを支えているのが、各地域で活躍している製麺所の存在です。製麺所の数は、本島だけでも実に50カ所以上。どの製麺所も各店舗の細かな要望に応えながら、伝統の味を守り続けています。
・中南部
中南部を代表する製麺所のひとつ「照喜名製麺所」のそばは、出汁と絶妙に絡む中太縮れ麺。しっかりとした歯ごたえと食感が持ち味です。
・北部
北部にある「三角屋」は、創業から50年以上の歴史を誇る老舗の製麺所。細麺・中太・太麺という3種混合のめずらしい製法で、沖縄そばを提供しています。県内外への配送をはじめ、学校や病院への提供も行い、幅広い活躍を見せている製麺所です。
・宮古島
伝統の製法にこだわり、宮古そばを作り続けている「古謝製麺所」は、昭和7年に創業した老舗。創業から80年以上もの長い歴史のなか守り抜かれてきた味は、まさに正統派宮古そばの味です。
宮古島に拠点を構える「ハワイ製麺所」の麺は、もちもちの食感が自慢の生麺です。1954年の創業時から手打ちの製法にこだわり、独自の食感を生み出してきました。ほかの沖縄そばの麺とは少し違う、もっちりした食べごたえを堪能することができます。
・石垣島
創業から43年、地元石垣島の人々に愛されてきたのが「荷川取食品」の八重山そば。細平麺タイプと細丸麺タイプの2種類が製造されているのが特徴です。
本場の八重山そばを製麺しているのは「金城製麺所」。「みんなのそばに、本物のそばを」というキャッチフレーズのもと、丸麺タイプや平麺タイプの麺を販売しているほか、ゴーヤー麺などのユニークなそばも製造しています。
個性いろいろな沖縄そばで、美味しい年越しを!
沖縄の年越しそばといえば「沖縄そば」です。あなたの地元で愛されているそばは、どのようなそばでしょうか。 年越しの際には、ぜひ地域の美味しい沖縄そばをお供にしてみてください。