2017.02.21 フード

今年は当たり年! ジューシーな沖縄産呉我山タンカンの魅力

沖縄に春の訪れを知らせる“呉我山タンカン”。1~3月初句あたりに収穫の最盛期を迎え、4月頃まで市場に出回るとってもジューシーな呉我山タンカンの魅力をお伝えするべく、農家さんにお邪魔してさまざまなお話をお伺いしてきました!

ちょっと驚きのタンカン事情。これを読み終わる頃にはきっと食べたくなるはず♪

教えて農家さん! 呉我山タンカン畑で聞いたアレコレ

呉我山タンカンの生産者さん
今回お伺いしたのは、比嘉 真友さん・保子さん夫妻が管理する呉我山タンカン農園です。着いて早々、目を引かれたのは、広大な山の斜面に植えられた木々!
呉我山タンカン農家
緑とオレンジのコントラストをうっとり眺めていると、比嘉さんが「もいで食べてみていいよ」と。お言葉に甘えて頂くと、そのジューシーさに、さらにうっとり。美味しい呉我山タンカンをもぐもぐしつつ、ふと疑問に思ったことを聞いてみました。

――沖縄ってタンカンが有名ですよね。いつ頃から栽培しているんですか?

「大体、昭和35年から40年くらいからじゃないかな」

――今年はタンカンのおもて年(当たり年)とお伺いしたのですが、昨年に比べて収穫量はどれくらいアップしたのでしょうか?

「7割くらいかな。今年の収穫量が10だとすると、去年は3か4くらいだね」

――えっ! すごい! かなり収穫量が増えていますね。倍以上違うなんて…… 驚きです。

「そうだね。でも、タンカンは2年にいっぺんはこうなんですよ」

――実付きの増減を繰り返すってことですか?

「そうそう。おもてうら、おもてうらって続いていくね」
たくさん実る呉我山タンカン
――へぇ~、その理由って「タンカンをたくさん作った翌年の木は疲れているから」ですか?

「疲れるっていうか、たくさんタンカンが成った翌年は、成枝(実が成る枝)がないんだよね」

――なるほど。1年目は枝を作って、2年目はたくさんの実をつけるっていうプロセスを繰り返すんですね!

「そうそう」
呉我山タンカン
――お話は変わりますが、タンカン畑にはコウモリが来るとお聞きしました。害鳥・害獣対策にはどんなことをされていますか?

「“防鳥ネット”っていう網を使っています」

――なるほど~。育てるうえで、やはり害鳥・害獣対策は大変ですか?

「それらも大変ではあるんだけど、やっぱり台風被害が一番大変かな」
呉我山タンカンと木々
――台風は農家さんならではの悩みですね。納得です。またまた話は変わりますが、呉我山タンカンとその他柑橘類の明確な違いってあるんでしょうか?

「たとえば本土には温州みかんとかがあるけど、あれは皮が薄いさ。タンカンは皮が固くて厚みがあって、日持ちすることが特徴。あと、タンカンって実は3種類あるんだよね」

――3種類もあるんですか? 知らなかったです……

「“T132”は沖縄に昔からある品種。“垂水”は奄美大島から来た品種。あと、北部の試験場で品種改良されてできたのが“名護紅”だね」
呉我山タンカンの収穫
――品種ごとの特徴を教えていただけますか?

「そうだなぁ。たとえば、カタチが違うね。タンカンって基本的にはまんまるだけど、名護紅は形が扁平なんだよね。あと、名護紅は収穫時期が12月中旬くらいで、ほかの品種よりちょっとだけ早い。T132や垂水は年明けが収穫時期だからね。でも、年によって違いはあるかな。寒くなる時期に、収穫期は左右されるんだよ」
呉我山タンカンロード
――へぇ~、寒くなるとギュッと美味しくなるんですか?

「そうだね。寒暖の差があると美味しくなるね」

――生食のイメージがあるタンカンですが、生食以外の食べ方はありますか?

「友達にあげたら、『ドレッシングを作ったから使ってね』って持ってきてくれたことがあるね。あとはゼリーとか」

――ジュースとかを想像していましたが、ドレッシングはちょっと意外でした。いろいろと加工できる万能フルーツですね

「そうそう。ジャムとかもいいよ」

――甘みと酸味のバランスがとっても美味しそうですね! そういえば、さっきタンカンを頂いたときに、皮はヘタから剥くとおっしゃっていましたよね。今まで私はくぼんだところから剥いていたので驚きました。

「ヘタから剥くと白いスジが綺麗に取れるからね。みかん農家だったら皆知ってるはず(笑)ほかの柑橘類も一緒だよ」

――今度から試してみます! タンカンを購入するときに、美味しいものを見分ける方法はありますか?

「やっぱり、色がよければよいほど美味しいね」
呉我山タンカンと青空
――色はオレンジに近くなるほどよい?

「そうだね。緑や黄色はまだ完熟していないから、オレンジで色の濃いものを選ぶといいね」
2つの呉我山タンカン
――今後の参考にします。比嘉さん、今日は本当にありがとうございました!

「ありがとうございました」

終始、明るく笑顔でインタビューに応じてくださった比嘉さん。本当にありがとうございました。

比嘉さんが丹精込めて育てた呉我山タンカンは、イオン琉球の生鮮食品コーナーにて販売中です。気になる方は、ぜひお手にとってその味わいを堪能してみてくださいね♪

ライターおすすめ! 呉我山タンカンを使ったカイピリーニャ

美味しそうな呉我山タンカン
呉我山タンカンは味も香りも濃いため、カクテルにアレンジしても◎! そこで今回は、とっても簡単に作れるカイピリーニャ 呉我山タンカンver.をご紹介します!

材料(1杯分)
・ピンガ(カサーシャ)45ml
・呉我山タンカン 1/2個(綺麗に洗い、手頃な大きさに切っておく)
・砂糖 小さじ1~2
・クラッシュアイス(普通の氷を砕いてもOK)適量

作り方はとっても簡単! まず、ロックグラスに呉我山タンカンを入れ、砂糖を加えてつぶします。果汁と砂糖がある程度混ざったら、そこにピンガとクラッシュアイスを入れましょう。ひと混ぜすれば完成です。

カイピリーニャは、ブラジル産のスピリッツであるピンガ(カサーシャ)ベースのカクテル。本来はライムを使用しますが、呉我山タンカンでも美味しく作ることができます。アルコール度数は少々お高めですが、さっぱりしていて飲みやすい、おすすめカクテルです。

ちなみに、カイピリーニャはポルトガル語で「田舎の娘さん」という意味。素朴で味わい深い呉我山タンカンにぴったりのカクテルではないでしょうか。

今だけ味わえる呉我山タンカンをぜひご家庭で……

いかがでしたか? 呉我山タンカンの裏側には、農家さんの絶え間ない努力が隠されていました。
旬が短く今しか食べられない最高のフルーツを、ぜひご賞味あれ♪

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