チームプレイで鮮度を維持! 本マグロの釣り上げ・水揚げ
渡久地港から15分の距離にある合計8個の生け簀で、約1万5,000匹の本マグロを養殖しています。
養殖場に到着し、まず行われたのは餌やりです。大砲のような機械から次々と放たれる餌に、たくさんの本マグロが群がります。「餌は主にイワシとサバを使用しています」と教えていただきました。
そして、いよいよ釣り上げ開始! 釣り餌にかかった体長150cmほどの本マグロを、海の男が2人がかりで船へ釣り上げます。そして鮮度を保つために、特殊な道具ですぐに活け〆に。この活け〆こそ、本マグロに乳酸などが溜まるのを防ぎ、おいしさを保つ秘訣です。
50匹以上の本マグロを釣り上げ、海上の作業は終了。この日釣り上げた本マグロは、60~70kg台の大きなものばかりで、特に大きい本マグロはなんと80kgオーバー! 他の本マグロに比べて明らかに豊かなそのフォルムは、ひと目見ただけでその日一番の大物だと分かりました。
出港から2時間半後の11時ごろ、帰港して水揚げ作業に移ります。釣り上げた本マグロの体長・体重を計測し、翌日の朝まで冷却。翌朝、発泡スチロール製の箱に詰め替え、そのあと那覇空港へ運んで出荷します。
本マグロを鮮度のよい状態で出荷するためには、釣り上げから冷却までの作業をいかに素早く行うかが重要です。それを海の男たちは、チームプレイで実現! スムーズな流れ作業で、迅速かつ丁寧な釣り上げ・水揚げを行っていました。
本部町産本マグロのおいしさのヒミツ
脂がのった身がおいしい本部町産本マグロ。そのおいしさのヒミツを、この道30年の大ベテラン、大洋エーアンドエフ株式会社の林田さんに教えていただきました。
「私たちに限らず、養殖を行っている人たちがこだわっているのは“餌”です」と林田さんは語ります。本部町産本マグロに与えているイワシとサバも、もちろんこだわりの品で、人間でも食べられるほどの品質なのだそう。(※食用として流通しているものではなく、餌として流通されるイワシ・サバのなかで最もランクが高いものです)
質と量を安定して仕入れられるイワシ・サバを使用しているからこそ、おいしい本部町本マグロを育てることができるのです。
林田さんに一問一答! 本マグロ養殖について知ろう
――大洋エーアンドエフさまの本マグロ養殖の歴史を教えてください
「大洋エーアンドエフは、1985年に高知県で本マグロ養殖を始めました。しかし、高知の冬場の海水温が低く、また当時の我々の養殖技術も未熟であったことから、質のよい本マグロを育てることはできませんでした。そこで、『沖縄の温かい海なら、高品質な本マグロが作れるんじゃないか』と考えた先人が1990年に沖縄へ進出したところ、期待どおりの高品質な本マグロを育てることができたんです。その後、本マグロ養殖の技術が向上したことで、今では沖縄だけでなく、高知県やその他の地域でも本マグロ養殖が行われるようになりました」
――本マグロを育てるには、海水温が高いほうがよいのでしょうか?
「本マグロに限らず、それぞれの魚には適水温があります。沖縄の海は、冬場でも20℃を下回らないので冬場の成長もよく、立派な本マグロが育ちます。通年、安定して本マグロを育てられるという意味で、沖縄は本マグロの養殖に最適な環境ですね」
――本部町産本マグロの年単位の出荷量を教えてください
「約400トンです。1匹の体重が平均50kgだとしたら、8,000匹くらいは出荷しています」
――釣り上げを行わない日は、どのようなことをしていますか?
「まず、餌やりを行っています。餌は1日2回、朝15トン、昼15トン(取材時)を与えています。また、設備の管理や整備も行っています。本マグロを大切に育てるために生け簀をはじめ、船やフォークリフトなどの管理・整備は特に入念に行っています」
――やりがいを感じるポイントを教えてください
「やっぱり、大切に育てた本マグロを出荷するときにやりがいを感じます。台風などで被害を受けることもありますが、それを乗り越え、無事に出荷できたときの喜びはとても大きいです。例えるなら、愛情をたっぷり注いで育てた子どもが成人したときに似たような感覚です(笑)お客さまから好評をいただいたときもやりがいを感じますね」
イオン琉球の本部町養殖本マグロ、商品ラインナップをご紹介
イオン琉球では、本部町産本マグロを冊と刺身、握り鮨の3タイプでご用意しています。
ぜひ、お近くの店舗でお買い求めください。
質と安全・安心にこだわった、本部町産本マグロ
鮮度、そしておいしさにこだわった本部町産本マグロ。海の男たちの工夫や配慮、そして沖縄の海の環境が生む高品質な本マグロは、イオン琉球各店(イオン・マックスバリュ一部の店舗)でお買い求めいただけます。ぜひ、本部町産本マグロを味わってみてください。