清らかな水に育まれた車えびを求め、“球美の島”へ
久米島産の活車えびは、イオン琉球のオンラインショップにて購入できます。
那覇空港から飛行機で約30分。沖縄本島の西約100kmに位置する久米島は、かつて「球美の島」と呼ばれ、琉球で最も美しいと讃えられた場所。今もその美しい大自然と、そこで育まれた豊かな食材が楽しめる、魅力に溢れた島だ。そんな久米島を代表する海産物といえば、なんといっても車えび。実は、沖縄県は養殖車えびの生産量日本一を誇っており、中でも久米島は県内最大の拠点産地となっている。さらに、これから迎える冬の時期は、養殖車えびの旬。まだ生きたままの車えび「活車えび」として、その味わいを楽しむことができる。島の生産者たちによって、大切に育てられている車えび。その秘密を知るために、久米島を訪れた。
愛情たっぷりに車えびを育てる生産者たち
久米島随一の絶景スポット、比屋定バンタからも見下ろせる海沿いにある株式会社エポックでは、養殖場場長の上地淳さんがおおらかな笑顔で迎えてくれた。まず見せてくれたのは仕分けの作業。「選別場の池をカゴで区分し、まずは6段階の選別をします。そこからさらにそれぞれを3段階に分けるので、全部で18段階。少しでも傷があるとはじきますね」。サイズごと仕分けるそのスピードは一匹ごとほんの一瞬。素人目には違いが分からないほどで、長い経験と勘に裏打ちされた技であると感じさせる。これを多い時は一日に700kgから800kgも仕分けし出荷するという。
「従業員に言っているのは『自分が食べたくない車えびは入れるな』ということ。選別に関してはここが日本一厳しい養殖場だと自負しています」。
選別場にある3つの池は海水温で満たされ、それぞれ20度、15度、13度に設定。段階的に車えびを冷やして仮死状態にすることで、動きを止め新鮮さを保つことができる。さらに低温で締めれば殻がむきやすくなるという。
海水は、目の前の海から取水したもの。24時間いつでも取れるため、毎日入れ替え、清浄な状態を保っている。
「ここでは車えび専用の高品質なエサで育てながら、毎日養殖池に潜って車えびの状態をチェックするなど、従業員一人ひとりが出荷が終わるまで気を抜かないよう注意を払っています」。
車えびの養殖には、島内にある海洋深層水種苗供給センターで育てられている稚エビを利用。かつては九州から親となる海老を導入し稚エビを育てていたがコントロールが難しく、ウィルスで全滅してしまったこともあった。現在は海洋深層水を活用することでウィルスに感染しない稚エビの生産が可能になり、抗生物質や殺菌剤を使わない安全・安心な車えびを育てることが可能になった。
そのポイントとなるのが、久米島ならではの天然資源である海洋深層水。水深200m以上の場所にある海洋深層水は、太陽光が届かないため水温が低く保たれた上、微生物が少なくミネラル分を豊富に含む。なんと久米島では200mよりもさらに深い水深612mの深海から取水しており、久米島産車えびの生育には欠かせない存在となっている。
久米島産車えびはギフトとしても人気で、株式会社エポックでは年間5000件以上を扱う。「ここから全国各地にある市場を通じて、日本料理店や一般のお客様のもとへ届きます。日本を代表する築地市場では、うちの車えびがプロの目から見てナンバー1といううれしい評価もいただきました」。
沖縄の養殖車えびは、これからの冬の時期が旬。年末のギフトは特に需要が高いという。
「本土の車えびの場合、栄養が3月頃に迎える産卵に向けて使われるため、身がぱさついたり甘み成分が減りますが、沖縄の車えびは、6月の産卵に向けて栄養をたくわえるため、3月頃まで身が甘くなっているんです」。
久米島産の活車えびは、イオン琉球のオンラインショップにて購入できます。
まさに今が旬!絶品の活車えびに舌鼓
そんな上質で新鮮な車えびを味わうなら、生きたままの刺身がおすすめ。活車えびが届いたその日限りの贅沢だ。頬張った瞬間、まず驚くのはその上品な甘み。そして、ぷりぷりの食感。きれいな海水で育った海老はくさみもなく、そのままおいしく味わえる。頭の部分はカラリと揚げて食べるのが一般的だが、生産者の皆さんが教えてくれたのが、電子レンジで軽く温めるだけの食べ方。頭に詰まった味噌の濃厚な旨みがよくわかるそう。
他にも、海老の甘みを引き出してくれるシンプルな塩焼きや、海老料理の定番・天ぷらなど、頭から尻尾まで、あますところなく食べることができる。
海洋深層水を使って育てられた安心・安全な久米島の車えび。島から届く自慢の味を、ぜひ堪能してほしい。
久米島産の活車えびは、イオン琉球のオンラインショップにて購入できます。
関連ページ:【久米島特集vol.1】海洋深層水が育む久米島の恵み!久米島町の太田町長にその魅力を聞いてみました。
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