じつは最近!? かりゆしウェアの歴史とは
かりゆしウェアは、ハワイ伝統のアロハシャツをモチーフに作られました。形状やデザインがよく似ていることから、薄々気づいている方もいるかもしれませんね。
アロハシャツとかりゆしウェアの違いは、かりゆしウェアの定義である「沖縄で縫製され、沖縄らしさを表現したもの」というところにあります。つまり沖縄で作られていなければ、いくらかりゆしウェアっぽいデザインであってもかりゆしウェアではありません。ちなみにこの定義は、内閣府からも正式に発表されています。
かりゆしウェアは、1970年に社団法人沖縄観光連盟の会長であった宮里定三(みやざと ていぞう)氏の企画立案によって生まれました。当時は「おきなわシャツ」という名前で販売されましたが、1990年になって名称を「かりゆしウェア」に制定し、沖縄らしいウェアとして着用が奨励されました。
かりゆしウェアが本格的に普及したきっかけは、2000年に行われたサミット。各国の首脳が着用したことで、一気に県内での認知度を上げました。そしてこの頃になってようやく、トロピカルウェアなどの別名称で販売されていたウェアの名称もすべてかりゆしウェアに統一されました。
そして2007年、クールビズのスタートとともに沖縄のビジネススタイルにかりゆしウェアが加わりました。正式な公務の場での着用を認められたかりゆしウェアは、いまや沖縄を代表するビジネススタイルとなっています。
ちなみに、かりゆしウェアの「かりゆし(嘉例吉)」とは沖縄の方言で“めでたい”という意味。ビジネスの成功を後押しするような素敵な意味ですよね。
沖縄らしく格好良く! かりゆしウェアでビジネスを席巻する男たち
夏が定番と思われているかりゆしウェアですが、じつは秋冬で着用できる長袖タイプも登場しています。
「長袖のかりゆしウェアって暑そうだな」と思う方には、老舗ブランド「MANGO」がプロデュースしている水色ベースのかりゆしウェアがおすすめです。
普通のシャツに見えますが、伝統的な織物技法の1つである絣柄が施されています。上品かつシンプルでありながらも、しっかりと沖縄らしさを残したかりゆしウェアは、まだまだ暑い沖縄の秋に爽やかさをプラスしてくれること間違いなし! ジャケットやスタイリッシュなパンツとの相性も抜群なため、若い人でも気軽に着用できるテイストに仕上がっています。
一方、「Ryukyu Style」からは、秋らしいブラウンがベースとなっているかりゆしウェアが登場しています。
片側にあしらわれたハイビスカス柄がインパクト抜群。落ち着きのある色合いながらも、どこか遊び心を感じられる1枚となっています。シワになりにくい素材のため、アイロンがけもラクラク。通気性と速乾性に優れているため、暖秋が続いても涼しくて快適に過ごすことができますよ。
秋の新作のなかでも、とくに注目してほしいのが、かりゆしウェアの老舗ブランドである「JUNE」が製造・開発した、“2WAYオックス長袖かりゆしウェア”です。
普通のドレスシャツのようですが、襟の内側や前立ての裏に沖縄らしい柄をあしらっています。
柄の主張が少なく、かりゆしウェア感がさり気ないため、日常のビジネスシーンはもちろん本土への出張時にも着用できます。
しかしなかには、「かりゆしウェアって本来はスラックスに入れないから、さすがに本土ではNGじゃないの?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。実はこのかりゆしウェア、スラックスへのIN・OUTどちらにも対応しているのです! その秘密が、巻き伏せ本縫いというJUNEならではの縫製にあります。
左が一般的な縫い方、右が巻き伏せ本縫い
巻き伏せ本縫いは、布を重ねて折り込むように縫っているので、ステッチ部分が肌やスラックスにこすれてしまっても糸がほつれる心配はありません。
「2WAYオックス長袖かりゆしウェア」はジャケットとの相性もよいため、沖縄と本土の両方で秋BIZを楽しむことができますよ。
秋には秋のかりゆしウェアを
いかがでしたか? かりゆしウェア業界はますます進化しています。今回紹介したMANGO、Ryukyu Style 、JUNEをはじめ、たくさんのかりゆしウェアブランド・企業が沖縄のビジネスシーンを彩るかりゆしウェアを丁寧に作り上げています。
かりゆしウェアを着る楽しみが夏だけなんて、もったいない。秋BIZの心地よさを、ぜひアナタも体感してみてください。