「牧場のしずく」生産者さんにお話を伺いました
牧場のしずくとは、こしひかりを土台として、厳しい規定の中で鏡石町が作っているお米です。牧場のしずくは特別栽培米の1つであり、完全に登録制にすることで安心安全かつ美味しいお米を実現しています。
――「牧場のしずく」は、どのようにして作られていますか?
「化学肥料を従来のものより半分以下にしているのが特徴で、安全・安心なお米づくりをしています。有機物を含んだ肥料で補っているので、品種として弱くなることなく、美味しいお米ができています」
――栽培で難しいポイントやこだわりはありますか?
「田植えをして直後に稲以外の雑草を抑える必要がありますが、農薬の規定があるためそれ以上は使えません。草が出ないようにするための除草剤をふるタイミングが一番大事で、のがしたら大変、そういう難しさがあります。
こだわりとしては、刈り取り時期を見逃さないことです。米粒が生っている状態を常々見て、見た目と機械で判断しています。規定の水分で収穫することで、美味しくてきれいなお米ができます」
――牧場のしずくの味わいについて教えてください。
「炊きたてはもちろん、冷えてもくさみが出ない、口に入れてひと噛みすれば「美味いお米だ」となる、そんな味わいです。粒張りがあって食感がよく、もちもちしていて粘り気があります」
――おすすめの食べ方はありますか?
「お米自体が美味しいので、ピラフなどではもったいないですね。生味噌や梅干しなどと合わせるだけでも美味しいです。鏡石町はきゅうりの産地ですが、もろきゅうやきゅうりの佃煮とも合います。卵かけご飯や、納豆と食べるのもおすすめです」
――今年の牧場のしずくの出来はいかがですか?
「米粒はいい状態ですので、美味しいお米になっていると思います」
――沖縄とは、意外なつながりがあるとお聞きしました。
「平成5年に、東北全部で大冷害があったのですが、翌年の作付けの種が足りなくなってしまい、そのとき沖縄にお世話になりました。石垣島で二期作をやって、種取りをやってくれたので、お米を作れたんです。福島県は沖縄の人たちとつながりがあるなと思っています」
――沖縄県の方に向けて、メッセージをお願いします。
「仲間たちと一生懸命作った、本当に美味しいお米なので ぜひみなさん食べてみてください」
鏡石町の木賊(とくさ)町長にもお話を伺いました
――イオン未来共創プログラムは、どのようなプログラムですか?
「未来共創プログラムのきっかけは、東日本大震災の復旧・復興、原発による風評被害の払拭ということが大きな目的です。基本的なプログラムとしては3つあって、地域の産品の相互交流が1つ。鏡石町のほうでは、特別栽培米『牧場のしずく』の販路拡大をしたいということになります。2つ目は地域文化の交流。沖縄と鏡石町、まったく気候風土が違いますので、そういった違いをお互いアピールしながら交流できればという目的です。3つ目が、子どもから大人までの人材の交流です」
――鏡石町と北谷町ではスポーツ少年団交流があると思いますが、どのようなきっかで交流するようになりましたか?
「ソフトボールスポーツ少年団というのがお互いの街にありまして、約30年前、当時の指導者の方が中心になりながら、保護者と子どもたちの交流をしようということで始まりました。
沖縄から鏡石町へは、冬にスキー研修でおいでいただくなどしています。初めて雪を見たり、初めてスキーをしたりという子どもたちが多いですね。このように北谷町とのつながりは深く、今はコロナで中断しておりますが、再開したいという思いがあります。
また、お互いの産業まつりに物品などを持っていくという交流も続いています。鏡石町の農家さんたちも、北谷町に行くのをいつも楽しみにしています」
――牧場のしずくについて、どのようなお米か教えてください。
「こしひかりを元に作っていますが、こしひかりとは少し違い、米の粒が大きく甘みがあります。炊き上げるとふっくら仕上がって、モチモチ感も楽しめます」
――沖縄県の方々へ向けて、メッセージをお願いします。
「まったく気候風土の違う土地ですが、みなさんとの交流を継続できればいいなと思っています。地域情報がインターネットで見られる時代になりましたので、お互いに情報交換しながら、元気づくりを頑張っていきましょう。また、みなさんの元気をもらいにお邪魔したいと思いますので、今後とも交流をよろしくお願いします」
稲の品種で絵を表現! 10年目の「田んぼアート」
福島県鏡石町では、「牧場のしずく」を始めとした美味しいお米を作っているだけでなく、観光スポットとして毎年「田んぼアート」を作っています。
鏡石町の田んぼアートは、JR鏡石駅の道向かいにある田んぼに作られ、2022年で10年目を迎えます。鏡石町図書館に展望台が作られており、田んぼアートを楽しめるようになっています。
田んぼアートは稲を着色して作るのではなく、品種の違う稲を組み合わせて色の違いを出し、アートとして仕上げるのが特徴。
鏡石駅の田んぼアートでは、途中で稲の色が変わる品種も組み合わせ、あとから隠し絵が出現するという仕掛けも組み合わせているとのことです。
また、近くには観光や特産品販売の中心となる施設「かんかんてらす」もあります。福島県を訪れる際はぜひ一度利用してみてください。
140年もの歴史がある「岩瀬牧場」
お米の他にも、鏡石町ではきゅうり・トマトなどの野菜、りんご・シャインマスカットなどの果物の生産も盛んですが、観光地としては140年もの歴史を誇る「岩瀬牧場」が有名です。
岩瀬牧場は、明治の初めに国内で初めての西欧式牧場として開設。現在は観光牧場として運営されており、歴史的な建造物や親子で楽しめるアクティビティなどがあります。
沖縄の学校では馴染みが薄いかもしれませんが、小学校の教科書に載っている唱歌としてよく知られる『牧場の朝』のイメージの元になったとも言われています。
今回は、岩瀬牧場の魅力を伺ってきました!
――岩瀬牧場は140年の歴史があるとのことですが、どのような施設やアクティビティがありますか?
「場内とても広くて、小さなお子様からご年配の方まで楽しんでいただける牧場になっています。まず、牧場なので、餌やり体験などで動物たちと触れ合えます。また、歴史資料館では牧場の歴史を学んでいただいて、建物を見て歴史を楽しむこともできます。場内には大きなツリーハウスもあり、無料ですので、親子で気軽に登ったりして遊べます」
――文化財があるとのことですが、どのようなものがありますか? また、文化財を守る取り組みは?
「文化財として保有しているものが4点、「とうもろこしの乾燥小屋」、「トラクター小屋」、「歴史資料館」、そして歌にもなっている鐘があります。それぞれ場内で自由に見ていただけるようになっていて、牧場の歴史として楽しんでいただけます。
文化財を守る取り組みとしては、行政と一緒に取り組んで、スタッフが清掃や保持をしています。いい形で文化財を見ていただける取り組みとして、今後もっと有効活用できないかを模索中です」
――岩瀬牧場では自家製ヨーグルト「楚人冠(そじんかん)ヨーグルト」を作られていますが、どのような商品ですか?
「ホルスタインからとった生乳で作られていて、しぼってから24時間以内に低温殺菌をして非常に新鮮な形で密閉、マヨネーズの形の容器で販売しています。お餅とまではいかないがもっちりとした食感で、舌触りがよく、食べたことがないと感想で言っていただけるヨーグルトです。どの世代にも召し上がっていただける自慢のヨーグルトで、岩瀬牧場の売店で販売しています」
――他にはどのようなグルメが楽しめますか?
「売店では、楚人冠ヨーグルトの他にブルーベリージャムを販売しています。ブルーベリーは100%岩瀬牧場のブルーベリー畑で穫れたもので、隣にある岩瀬農業高校のほうで加工していただいて、うちのほうで販売しているというものです。
また、数量限定にはなりますが、岩瀬牧場で穫れたハチミツもおすすめです」
――沖縄の方々へ向けて、メッセージをお願いします。
「沖縄県と福島県では距離が離れているとは思いますが、岩瀬牧場のある鏡石町は四季折々楽しめる非常に美しい土地となっています。岩瀬牧場も、観光牧場としてみなさまを迎え入れられる魅力ある牧場だと思っておりますので、ぜひ機会ありましたら立ち寄っていただけたらと思います」
「牧場のしずく」ぜひご賞味ください!
福島県鏡石町で作られている特別栽培米「牧場のしずく」は、厳しい規定のもとで作られた安心・安全で美味しいお米です。
沖縄県のイオン・マックスバリュで販売していますので、ぜひ一度ご賞味ください!
※一部店舗では取り扱いのない可能性がございます。