2023.02.16 ライフ&ウェア

美しい琉球ガラスを再発見! 歴史やこだわりをご紹介【琉球ガラス村】

沖縄県民には馴染み深い、贈答用にも日用品としても使える「琉球ガラス」。
身近な存在だからこそ、どのように作られているのか、今どんな製品があるのか、意外と知らないこともあるのではないでしょうか?

今回は、琉球ガラスの魅力を再発見するべく、「琉球ガラス村」にお話を伺ってきました。

琉球ガラスの魅力を琉球ガラス村に伺ってきました!

沖縄県糸満市にある琉球ガラス村は、沖縄県内で琉球ガラスを製造・販売している工場のひとつ。
琉球ガラス村の琉球ガラスは、県内さまざまなところで購入することができ、工場のある琉球ガラス村では職人さんたちが作る様子を見ることもできます。

イオン琉球オンラインショップでも販売していますので、ぜひ覗いてみてください。

お話を聞かせてくれたのは、琉球ガラス村営業本部長の川上さんです。
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――琉球ガラスとはどのような工芸品か、改めて教えていただけますか?

「琉球ガラスは、人の手によって100%全てが作られているガラス製品です。特徴としては沖縄の自然や文化を投影したガラスになっております。また、歴史において再生ガラスの特徴も持ったガラスでもあります」

――再生ガラスとしての特徴とはどのようなものでしょうか?

「ガラスを溶かしてまた成形してモノづくりをする、というものです。
沖縄におけるガラス作りは、本土からの職人から沖縄の職人が習うという形で明治43年に伝わりました。戦中に工場が焼失するまでは、瓶、ランプのシェード、お菓子や食べ物を入れる器瓶などの日常生活品を作っていました。
その後復興するときにはあらゆる資源の調達が困難だったため、米軍が廃棄するビール瓶やジュースの瓶を溶かして、再生ガラスとして作るようになりました。このように、琉球ガラスには両方の歴史があります」
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――琉球ガラスにはいろいろな色がありますが、色によって作り方など変わるのでしょうか?

「主な色で言うと、10色あまりあるのですが、ガラスなので重ねることで新しい色になっていきます。掛け合わせで無限に広がっていきますし、ガラスの上にまた違うガラスの欠片を重ねてさまざまな色を出していきます」

――色の作り方にも琉球ガラスならではの特徴があるのでしょうか?

「色合いの調合は、鉱物の化学変化でこういう発色になるというのは決まってはいるんですが、その工房独自で配合を研究したりしているので、色の濃淡だったり、その色で形を作るという意味では琉球ガラスならではのものを作っていきます。
今は黒っぽいガラスや乳白っぽいガラスもあり、透明感の少ない、不透明なガラスも最近は流行っていますね」

――琉球ガラスにはどのような製品がありますか? ユニークな製品などもあればぜひ教えてください。

「日常生活雑貨から、表札や時計、ランプシェードといった、インテリアのほうの製品も最近は増えてきています。他には、ホテルのエントランスにある大きなオブジェや、店舗の大きな建材など、日常生活からちょっと離れて、美術品としても用いられています」

――素敵な琉球ガラスを作るのには職人さんのスキルが重要かと思うのですが、どのくらいで職人になれるのでしょうか?
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「まずは先輩の職人と一緒に、3名から5名のチームを作ってガラスを作ります。そこに入ってから、製造過程のガラスを触れはするのですが、ちゃんとモノとして成形してやりたいような形にするには5年から10年はかかるようです」

――全部手作りとのことですが、同じものを量産するときも一個一個作られていくのですか?

「そうです。量産のときは、最終完成形の8割方のフォルムを決める型を使いますが、それでも一つ一つ吹いて形に吹き込んでいくので、原料調合から最後成型まで全てにおいて手作りということになります」

――職人さんが心がけていることや、こだわっていることはありますか?

「琉球ガラスは吹きガラスで作るのですが、重力や遠心力の自然の力を使っているので、機械のように型に押し付けて作るのではなく、ガラスがなりたいように作ると職人さんは仰っています。伸びたかったら伸びたいように、広がりたかったら広がりたいように、ガラスと対話しながら、自分がやりたい方向性とガラスがなりたい形をすり合わせながら作っているとのことです」
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――普段使うときに注意したほうがいい点などあれば、教えてください。

「琉球ガラスは一般的にソーダガラスなので、耐熱ではありません。急激な温度変化は避け、食洗機ではなく手洗いをぜひお願いしたいです。琉球ガラスをはじめ、ガラス全般はそのまま放っておくと湿気と反応して表面が表面が曇ってくるので、定期的に水洗いしていただくのがおすすめです。
また、ペン立てにするなど、金属など硬いものを入れますと、細かい傷が蓄積されて割れの原因になるため、注意してください」

――SANCHU!の読者に向けて、メッセージをお願いします。

「普段使いからおもてなし、晴れの日や祝の席にふさわしい品々もご用意しております。琉球ガラス村はおひとりでもご家族でも1日楽しめる施設となっていますので、気軽にお越しください」

琉球ガラスが作られる様子

琉球ガラス村では、職人さんたちが実際に琉球ガラスを作る様子を見学することができます。
その様子の一部を、ぜひご覧ください。
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琉球ガラス作りではまず、原料と着色用の鉱物を混ぜたものを1,300℃の窯(かま)の坩堝(るつぼ)で溶かします。

十分に溶けて空気が抜けたガラスの原料を「吹き竿」で巻き取り、作りたい製品に合わせて職人さんが回したり吹いたりと形を作っていきます。
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琉球ガラスといえば吹いて膨らませる工程がイメージされますが、製品によっては吹きの工程がなかったり、型を使ってある程度成形したりと、作り方はさまざまです。
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ガラスは空気に触れてみるみる冷たくなってしまうので、再加熱用の窯を使い、ガラスを高温に保ちながら成形していきます。
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吹き竿からガラスを切り離したり、装飾用のガラスを重ねたりなど、琉球ガラス作りでは職人さん同士のチームワークが重要です。
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取材に訪れたときは、このような製品を作っていました。

自分用に、贈答用に、琉球ガラスはいかが?

近年は装飾品や美術品としての琉球ガラスのイメージもありますが、日常の中で沖縄の文化を感じられるステキなガラス製品です。

琉球ガラスはイオン琉球オンラインショップでも取り扱っていますので、ぜひご覧ください。

また、琉球ガラス村では現代の名工や沖縄県工芸士など、技術力の高い職人さんの仕事の様子を見学できるだけでなく、琉球ガラス作りの体験やアクセサリー作りができたり、ギャラリーやガーデンで美しい琉球ガラスを見られたりと、さまざまな体験ができます。ぜひ一度、足を運んでみてください。

所在地:〒901-0345 沖縄県糸満市字福地169番地
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