激動の時代に生まれた酒造所
戦後に与那原に建設した泡盛工場
まさひろ酒造が創業したのは、明治16(1883)年のこと。琉球王朝が終わりを迎え、沖縄県が誕生し、世の中が大きく動いていた時代でした。
その後、時代は進み、沖縄にも戦争の影響が及ぶようになると、工場も泡盛職人も大きな打撃を受け、酒造りができなくなる事態に。それでも、持ち前のチャレンジ精神で乗り切り、戦後は泡盛作りを復活させるだけでなく、伝統的な技法を守りながらも、新たな製造技術を取り入れるなど、泡盛業界全体の発展にも貢献してきました。
創業100周年を迎えた平成3(1991)年には、糸満市西崎に工場を落成。「泡盛まさひろギャラリー」を併設し、見学工場として公開。泡盛について学べる観光拠点としての役割も果たしています。
「泡盛まさひろギャラリー」。他社製品も展示し、泡盛文化を伝える役割を担っている
泡盛だけじゃない。幅広い酒造りへの挑戦
まさひろ酒造は創業時、社名を「比嘉酒造」としていました。それを変更したのは平成27(2015)年。代表銘柄で長年愛されてきた泡盛の名にちなみ、「まさひろ酒造」と社名を変えたのです。
頭に泡盛の瓶をのせて踊る「瓶踊り」で撮影に応じる比嘉昌泰社長
比嘉昌泰社長は、「まさひろと命名したのは、私の祖父にあたる昌廣です。57歳という若さで亡くなりましたが、泡盛作りの近代化を目指し、いつでも挑戦することを忘れない人でした」と話します。
挑戦する姿勢は、まさひろの原点。比嘉社長もその姿勢を受け継ぎ、「今はもう泡盛だけの時代ではない。総合蒸留酒メーカーになろう」と、ジン、ウォッカ、ウィスキーの製造をスタート。現在はアメリカや中国をはじめとする海外55か国に出荷するまでになりました。
こうして、さまざまな取り組みをする中で、いま特に注目したいのが、泡盛でありながら、これまでの泡盛とは一味も二味も違う、新たな味わいの『島唄』。
フルーティーで華やかな香りと、甘みのあるなめらかな口当たり、そして爽やかですっきりとした余韻が続く、とびきり飲みやすい泡盛です。
この味わいの秘密は、泡盛に清酒の酵母を使っているから。そこに泡盛古酒をブレンドし、泡盛らしいまろやかさと、清酒ならではのすっきり感がマッチした、これまでにない泡盛が完成したのです。
“いま”という時代と、泡盛の新しい時代の風を感じる『島唄』。トレンドに敏感な友人たちと、一人時間にゆったりと。さまざまなシーンで、一杯いかがですか?